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今の日本のホームレス。『地上の人々―三人のホームレス 』(パロル舎刊)を読む

パロル舎刊の『地上の人々―三人のホームレス』を読む。

図書新聞の井手さんが一人称で、水道橋界隈の三人のホームレスをルポした作品。私小説のようでもある。

3人は、若い時分から身体を資本に働き、怪我や老年、勤め先の倒産などをきっかけにホームレスに行き着く。
「昔は、50歳くらいまで働けたら良かった。それが寿命が伸びて、60代までは頑張ろうと思っていたら、今や80代まで生きれるようになってしまった」というようなセリフにあるように、「人間、働けなくなってからの人生が長い」というのを考えさせられます。
一方で、なんだかんだたくましく生きる(ように見えただけかもしれませんが)彼らの姿に、人間は意外にも強いのか?とも……。

不況や格差なんて言われている世の中では、自分の将来に不安を感じる人も少なくないと思いますが、そういう意味では、人間なんだかんだで生きていけるという点においてはある種の希望を得られるかもしれません。

今の日本の陰の一面――「今の日本のホームレス」をそれ以上でもそれ以下でもなく、等身大にかいま見ることができる作品です。
パロル舎というと、絵本や芸術系に強い出版社というイメージですが、こういう味のあるテイストのドキュメンタリーを出すんですね。

地上の人々―三人のホームレス

 

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