- 2010-06-12 (土)
- about Photo
何気にご無沙汰な更新です。
余裕があれば松江滞在中にも何かしら更新を!!と思ったのですが、
ムリでした・・・。苦笑
そして、帰京後は溜まっていた仕事を片付けていて(別のまだ終わっていないのですが・・・)。
まぁ、twitterでツイートはしていたんですが、何気に忙しかったのです。
さて、松江のロケのご報告をば。
今回は、NHK松江局の地域発ドラマのロケの記録撮影に伺わせいただきました。
山陰地方というだけあって、どんよりとした天気であることが多いらしいのですが、クランクインからの一週間は時々曇りつつも、すごく晴れていました。(以前、松江に
行ったときもそうだった・・・)。
何気にその昔、デビルマンの映画撮影の現場やPV撮影でジャケット写真の撮影に、映像撮影の現場に同席していたことは過去に何度かあるのですが、本格的に記録ーそれも1週間近くともなると初でして、とても楽しみでした。(一週間もあると、通常とは違った仕事のでリフレッシュもできるだろうなぁと)。
全体的なところで報告をするなら、各職種のプロフェッショナルの人達が寄ってたかって、それも主体的にもの作りに励む現場で、刺激的で、かつ勉強になりました。
松江でのロケでしたが、東京、大阪、広島、山口、京都などの各地から精鋭が集まっていたようです。
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「撮・照・美」という言葉が映画には、あるらしく、良い作品作りには欠かせないとのこと。写真を撮る人間として、今回の仕事で特に興味をひいたのは、映像のカメラマンさんと照明さんでした。
スチールの現場では(※映像系の現場では、カメラマンは映像のカメラマン、写真はスチールと呼ばれます)、「光」を判断するのも、絵を切り取るのも、フォトグラファーの役割りです。ですので、今回、分野は違えども、カメラマンさんと照明さんの仕事のぶりを拝見できるのはとても興味を深いのです。
で、どこに目が言ったかというと、写真表現との違いーーです。
写真で何かを表現する場合、「枠内に収める」「省く」きながら一枚絵に表すことを考えますが(※もちろん状況によりけりです)、映像だと(当たり前ですが動くので)ファーストビューで映し出すものから視線を流していき、別の風景にも意味付けするということができるのだと感じました。写真では、視線を移したあとの風景を一枚のみで、同様の意味付はできないですから、やはりそもそも「意図を持たせる」場合には違ったアプローチにならざるを得ないのです。
(というのも、リハーサルで似た風景を記録しているからより強く感じました。あくまで裏方の裏方としての活動となるので、普段よりも制限が強いというのもあります)
だから、広角レンズの使い方も当然ながら違ってきますね。映像だと「視野の広がり」をとても強調できるような気がしています。
・・・単に画角や構図という面でも勉強になりました。
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写真の場合は、ライティング(lighting)はカメラマン自身(または、その指示の元アシスタント)が行う分野です。(照明専用の人がついているのは見たことないかな・・・レフ板とかも、編集者に持ってもらったりしちゃうし)。
場面場面のライティングの機微も面白かったのですが、写真と映像との違いをここでも感じました。それはやはりそもそも「時間軸」が存在する点。写真は「一枚絵」ですので、「今見えている」世界での絵作りになるのですが、映像は(まぁ、指摘されたら当たり前なのですが)シーン中に人が動くので、その都度、整合性が取れるように、稼動範囲やカメラワークを想定した上で「仕込む」こともします。動きのあるシーンでは、カメラマンと一緒にレフを持って動きますし、そうでなくても、演者が動いて振り向いたときに「光が当たっている」ということも大事です。
「どんな場面でも整合性が取れるように光が当たって——」と言うと「作りこんだ感じがしてイヤだ」という印象を持つ人がひょっとしたらいるかもしれませんが、ニュアンスは違います。そもそも写真などの絵を人見た時にリアルに(自然にと言い換えて良いかもしれません)見せるためには、そのままではダメなことがあるからです。
写真や映像で写す絵と人の目では「明暗」の見え方がそもそも違います——。それこそカメラが人が見たとおりに、そのまま再現できたらいいのですが、それができません。
例えば晴れた日に陽のあたる路地に基準を合わせて撮影してみると、木陰が目で見た印象よりも「すごく暗く写っている」なんてことはざらにあるのです。
普段、皆さんが見て、記憶しているものに近い形で「絵を作ろう」と思うと、光の強さを調整しつつ、「明暗差を少なくする」ということも大事なポイントになります。
僕が写真と撮る際は、目の前の風景とのギャップを楽しむことが多いのですが、仕事の内容によって使い分けることも大事で、要望や状況に応じて技術を選択的に提供できるということはプロであることの一つのファクターでもあり、今回のようなドラマだと、違和感を持たせないことがきっと大事で、そう考えると、本当に感心するばかりでした。
そして、現場では、人達に共通していたのが、「良いものを作るためには、労力を厭わない」というところです。費用対効果か等は常に考えてしまい時に効率化と質を天秤にかけてしまうこともある自分なので、躊躇なく実行する姿には思うところも多かったです。
「農ドル!」のサイトが更新されたら今回の写真をたくさん使ってもらえるはずなので、楽しみです。
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