- 2010-01-23 (土)
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Amazon Kindleが自費出版で著作権料の70%の設定をするみたいですね。
そういえば、ちょうど一年前の2009年の元旦の日経新聞で、Amazon Kindleを成田空港で使ったみたという記事を読んだことを思い出します。
あの記事を読んでから早く日本語版でないかなと思いつつ一年が過ぎましたが、プロトタイプができているそうですね。
それは何とも楽しみにです。
僕は結構文字フリークで小さい鞄に何冊も本を詰め込んでしまうような性格なので、
「読みやすい」電子ブックが発売されることを結構心待ちにしていました。
でも、携帯とかそうですけど、製品のバックライトで文字を可読にしているものって絶対長時間の読書なんかには向かなくて、それで、Kindleの外光の反射で読めるというのはなんとも待ち遠しい機能だったんですね。
で、著作権料の70%・・・。
ロングテールもここまで来たかという感じですよね。正直・・・。
でも、いろいろな人とっての敷居が低くなって情報発信ができるようになるってやっぱりいいことだと思うんですよね。
「マイクロトレンド」マークJペン著 (NHK出版)って本がありましたけど、ニッチの人たちが「印刷物の出版」とかの「物理的なコスト」がかかるものを使っての情報発信ってやっぱり難しいですから、こういうのは良い流れだと個人的には感じていますし、ビジネスチャンスも広がりますよね。
出版社によるんですが、通常本を出すとして、今や1万部売れる本の数も少ないらしいですので、それこそ小ロットなものが増えていて、こっちにいきつく流れもそりゃ出てきますよね。
・・・仮に1000円の本を5000部出すとして、総売上が、500万円。
で、制作費や広報費を30%に押さえるとして、150万円が制作費等(実際に印刷で100万円くらいかかりますしね)
で、印税10%で50万円払ったとして出版社として既に200万円の出費・・・。
小売りの取り分が30%ととして、一冊あたりの粗利が700円なら、3000冊弱売れて損益分離ライン・・・。多くの出版社がこのリスクを減らすためにできる限り初期コストを下げる方向に進んでいます。
で、一方でこれが電子メディアだったら、制作費などの原価コストをそもそも削減することができるという発想で、
Amazonは言ってみれば「書店」なので30%(営業代理としてもそんな額ですよね)が確保できて、それ以外は著者が勝手にPDFデータを作って電子書籍まで作ってくれるわけですから、「小ロット」勝負しているところにとっては、(絵本とか、ビジュアルや手触り重視の出版者さんはもちろんそうではないですが)、専門書や実用書がメインの所ではリスク回避してくれるしすごく良いですよね。
後は、乱立する中で、玉石混淆の「権威付け」というのをいかにするかという問題があるのですが、
「これを審査するレフェリーをつけた電子出版プラットフォームができれば、手数料を20%とるだけでも十分ビジネスになるだろう」
池田信夫さんというなるほどなご意見がありますので、工夫次第かなと。
これってやっぱり多くの人に門戸が広がってやっぱり素敵ですよ。
個人的にはですけど、フリーの編集者みたいな人たちも増えて行くのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
70%の印税のうち、装丁やレイアウトやデジタル変換などのいわゆる「制作」にかかる部分から、AmazonやAppleなどの発行元への申請までを代行するようなのをエージェント的にやる人が出てくると思う・・・んですよね。負担具合にもよりますが、70%を著者さんとシェアするような感じで。Amazon Kindleみたいな今のとこ「文字ベース」だとニーズが薄いと思いますが、これがデザインなんかにも自由度が増えたらきっとそういのも出てきますね。(下手したら自分がやっていそう。苦笑)。(で、これで出版数が増えたら結局法人化するんでしょうが・・・)
僕は写真集とかをデジタル上でやりたかったりもするので、ディスプレイのきれいなAppleにぜひとも期待しています。
ところで、ニコニコ動画みたいに、コメントやメモ書きをサーバ—経由して共有できるようになるなら、研究室で「学術書の閲覧」とかにもすごくよくありません??
いやぁ、電子書籍はぜひ突っ込んで行きたいドメインですね。
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